退職時の有給消化マニュアル

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退職時の有給消化マニュアル

転職先が決まり現職の退職手続きとなったときの有給は皆さんどうされていますか?
「有休をとりたかったけど取り切れなかった」「退職するときに有給使っていいのか迷ってしまった」ということが無いように今回のコラムでは
有給をスムーズに取得するためのポイントや、有給取得の際に確認しておきたいことなど解説していきます。

退職の際も有給はすべて消化が可能

有給休暇の取得は労働者の権利であるため退職時であっても有給休暇はもちろんすべて消化可能です。
利用目的にも制限がないので「退職前に有休をとるのはどう何だろう」と悩む方も気にせず取得していただけます。

そうはいってもいざ有休を取得しようと思っても、業務の引継ぎが長引いてっしまったり思った以上に有休が残っていて消化しきれなかったりという方も少なくありません。例えば有給が30日残っていた場合すべてを消費しきるにはおよそ1ヶ月半かかります(完全週休2日の場合)。引継ぎは一般的に1ヶ月ほどが目安なので2ヶ月半以上は先に退職の意思は伝えておくのが理想的です。
退職の希望日は有給や引継ぎも加味して調整しましょう。

そもそも有給がどれくらい残っているかは基本的には給与明細や会社で導入している勤怠管理ツールなどで確認が出来ます。
これらに記載がない場合は総務部などに問い合わせることでも確認できます。
目安としては以下が有給の支給条件になります。
【有給の支給条件】
・入社から6ヶ月間継続して働いていること
・労働日のうち8割以上出勤していること

上記2点を満たした場合、10日間の有給休暇が支給され、その後は1年ごとに勤務年数が増えていくごとに加算されていきます。
6年6ヶ月以降は20日の有給休暇が経過するごとにもらえます。
なお、年次有給休暇は、発生日から起算して2年間で時効になり消えてしまうのでため込みすぎも注意が必要です。

有給と退職希望日

有給と退職希望日
残っている有給休暇の消化パターンとしては3つ挙げられます。
【1】バラバラに分けて消化し、退職希望日に退職する
【2】最終出勤日の前にまとめて消化し、最終出勤日を退職日とする
【3】最終出勤日の後にまとめて消化し消化終了日を退職日とする

有給の日数があまりない場合や、人手不足により業務の滞りが起きる場合は【1】のように取得される人がいますが基本的は【2】【3】のようにまとめて取得される方が多いです。

【2】の場合有給休暇を終えた後も出社日があるため引継ぎの最終確認や職場の方へのあいさつなども有給休暇取得後でも行えます。
ただし、長期で有給休暇中は席を空けるためあらかじめの引継ぎ業務は必要なので注意が必要です。

【3】の場合は最終出社日後は有給休暇となるためそれまでの引継ぎやデスク周りの整理は終わらせられるように計画を組みましょう。
最終出勤日の後は有給休暇を過ごし退職となるので次の転職先への準備やリフレッシュに充ててください。


円満な有給休暇取得のために

円満な有給休暇取得のために
有給休暇は労働者の権利ではありますが円満退職を目指すなら以下の点に気を付けなければいけません。

【退職の意思は早めに申し出る】
法律上、申し出から2週間での退職が認められていますが、ほとんどの会社では就業規則として退職の申し出は1~2ヶ月前までに申し出ることを定めています。この期間は引継ぎを行うためにもある期間です。有給休暇の保有日数が多くなればなるほど引継ぎの期間は限られてくるので有給休暇をしっかり消化したうえでの円満退社を目指すのであれば2ヶ月前には申し出をするのが理想的です。

【引継ぎのスケジュールを想定しておく】
退職日や有給休暇の取得について話す中上司も問題なく引継ぎが可能なのか心配されることもあります。
引継ぎの内容やスケジュールについてはあらかじめ上司にある程度伝えられるように考えておくと安心です。
スケジュールの想定とは言っても誰に何を引き継ぐのかまでは上司とのすり合わせの上決定するので資料などの用意は不要です。
あくまで期限内に引継ぎを完了させることが可能であると示せるようにしましょう。

もし有給休暇がとれなかったら?

ここまで有給休暇取得のために解説してきましたが、万が一有給休暇の消費を拒否された場合についても対処法をお話していきます。

【申し出を拒否され「有給休暇は消費させられない」と言われた場合】
申し出をした上司から有給休暇を拒否された場合は退職の申し出や有給休暇の申し出先を本社や人事部に相談しましょう。
会社が従業員からの有給申請を拒否すれば、労働基準法第39条の違反になるため法律や労務に詳しい人事部や本社の職員へまずは伝えましょう。
しかし、本社や人事部へ相談しても時季変更権などを理由に拒否された場合は会社では有休休暇を認められないと考えていいでしょう。
退職の場合他に有休休暇を使用できる時期がないため時季変更権も認められません。各市町村に設置されている労働基準監督署へ相談に行きましょう。

【退職希望日までの営業日数が有給休暇より少なくて消化しきれなかった】
これは有給休暇の日数を把握していないと起こるよくあるトラブルです。
有給休暇は心身をリフレッシュするために定められた休暇ですが会社によっては退職時に余っている有給休暇の買取を行ってくれる場合もあります。
買取を行ってくれるかどうかについては就業規則の有給休暇に関する項目を確認しましょう。
就業規則に特に記載がない場合は総務部や人事部へ確認してみましょう。
買取の金額に関しても企業が定める方法となるため就業規則や総務部、人事部に確認が必要です。
必ずしも平均賃金と同額が支払われるとは限らないので注意が必要です。