積算ってどんな仕事?業務内容や積算が向いている人について解説!

  1. 建築・不動産転職BOXトップ
  2. ブログ一覧
  3. 積算ってどんな仕事?業務内容や積算が向いている人について解説!

積算ってどんな仕事?業務内容や積算が向いている人について解説!

建設業に携わっている方なら、一度は耳にしたことがある「積算(セキサン)」についてあなたは知っていますか?
積算業務とは、建設プロジェクトのコストを見積もるための専門的な仕事です。
建設業界ではビルの建設やインフラ整備など、毎年様々な工事が行われており、その建設費は数千万〜数十億円にも及びます。
そのため設計初期の段階で工事コストを見積もる積算業務が重要になります。

そんな重要な積算業務について意外と知らない人も多いので、今回は積算の業務内容や、魅力、必要な資格からどんな人が積算業務に向いているのかまで解説していきます。

積算業務とは?仕事内容

積算業務とは、建設プロジェクトのコストを見積もるための専門的な仕事です。
まず、積算士と呼ばれる専門家が設計図や仕様書を詳細に確認し、プロジェクトに必要な材料や作業の全体像を把握します。
次に、設計図や仕様書を基に具体的に必要な材料や作業の数量を計算し、例えばコンクリートの量や鉄筋の長さ、配管の数などを算出します。
その後、材料や労働力、機械設備の単価を市場の状況や過去のデータを基に設定します。

これらの数量と単価を掛け合わせることで各項目の費用を算出し、総コストを見積もります。
見積もりには直接費用だけでなく、間接費用や利益も含まれます。
作成された見積もりはクライアントやプロジェクトマネージャーと調整を行い、必要に応じて修正が加えられます。

積算業務はプロジェクトの予算管理やコスト管理において非常に重要な役割を果たし、正確な積算が行われることで予算オーバーを防ぎ、効率的なプロジェクト運営が可能となります。

未経験からでも転職は可能ですが、最低限の業界知識は必要になります。

【積算のステップ】

①設計図と仕様書の確認:
設計図と仕様書を照らし合わせながら確認することで、積算士はプロジェクト全体の具体的な内容を把握します。
この過程で、設計図と仕様書の間に矛盾や不明瞭な点がないかをチェックし、必要に応じて設計者やクライアントに問い合わせて確認を取ります。これにより、後々のトラブルを未然に防ぎ、正確な見積もりを作成するための基盤を築くことができます。

②数量の拾い出し:
設計図や仕様書を基に、具体的にどれだけの材料や作業が必要かを計算します。
概算予算書の場合はあまり細かく算出しませんが、通常の見積書では例えば、コンクリートの量、鉄筋の長さ、配管の数などを算出します。
積算にかかる時間の多くは、この拾い出しにかかると言われています。
最近は設計図のデジタルデータをソフトウェアに取り込み、自動的に数量を計算する機能や、設計図の変更に応じてリアルタイムに数量を更新する機能などが提供されています。

③単価の設定・積み上げ:
材料や労働力、機械設備の単価を設定します。
単価は市場の状況や過去のデータを基に決定されます。
数量と単価を掛け合わせて、各項目の費用を算出し、総コストを見積もります。
これには、直接費用だけでなく、間接費用や利益も含まれます。
この積み上げ手法の詳細は、工事の種類などにより異なります。
それぞれ国の積算基準書なども参考にしながら、慎重に工事費を算出します。
最近では、積み上げ過程では積算ソフトなどを使用することもあります。

⑤見積もりの調整と確認:
作成した見積もりを基に、クライアントやプロジェクトマネージャーと調整を行い、必要に応じて材料を扱う業者や設備工事を請け負う業者と価格交渉し、より多くの利益を残せるようにすることも積算の重要な業務になります。

積算のやりがいや魅力とは?

積算のやりがいや魅力とは?
積算業務は、建設プロジェクトの成功に欠かせない重要な役割を果たすため、積算業務には多くのやりがいがあります。

1. プロジェクトの基盤を支える役割
積算士は、プロジェクトの初期段階でコスト見積もりを行い、その後の予算設定や資金計画に影響を与えます。
正確な積算は、プロジェクト全体の成功に直結し、計画が円滑に進むための基盤を築くことができます。
このような重要な役割を担うことは、大きな責任とともにやりがいを感じるポイントです。

2. 多様な知識とスキルの活用
積算業務は、建設技術、経済学、市場調査、契約法など、多岐にわたる知識とスキルを必要とします。
初めのうちは、新しい図面が来るたび、新しいことを覚える必要がありますが、業務を行っていくにつれて知識やスキルが多く身につきます。
これらの専門知識を総合的に活用して、最適なコスト見積もりを行うことは自己成長を感じていく機会にもなります。

3. 歴史に残る仕事
積算士は、住宅から商業ビル、インフラ施設まで、さまざまなタイプの建設プロジェクトに携わることができます。
特に自身が携わった施設やビルの完成を見たときはうれしいとともにやりがいを感じるという方が多いです。

4. 問題解決
積算業務には、積算した金額が予算をオーバーしているとき、仕様変更などで最適なソリューションを見つけるための問題解決能力が求められます。
積算業務で詳細な費用を算出することで、必要なものと不要なものを明確にし、最低限の予算内で利益を会社に残す。
制約条件の中で最も効果的な解決策を見つけ出すことで大きな満足感や達成感を得ることができます。

積算にどんな人が向いているのか

1. 細かくコツコツと仕事ができる人
積算業務では、設計図や仕様書をもとに正確な数量を計算し、材料や労働力の単価を設定して総コストを見積もる必要があります。
少しのズレが大きな金額のズレにもなるので、詳細な設計図や仕様書を注意深く読み解き、見落としや誤りがないようにすることが求められます。
理系ほどの数学的な能力や数字理解を求めているわけではありませんが、細かい計算業務や確認が苦ではない人が向いています。

2. 学習意欲がある人
はじめのうちは特に新しい図面が来るたび、新しいことを覚える必要があります。
積算は工期も考慮しなければいけないのでただ安い材料を用意するわけではありません。
積算業務を適切におこなうためには、設計から工事まで、豊富な知識が求められます。
また、建設業界は常に進化しており、新しい技術や材料、市場の変動に適応する必要があります。
そういった新しい知識を自身の成長のために積極的に習得できる人が向いています。

3. コミュニケーション能力がある人
積算士は、業者との単価の交渉はもちろん、材料の特定が難しい場合や不明点などは設計者に確認することもあります。
設計者、エンジニア、プロジェクトマネージャー、クライアントなど多くの関係者と連携します。
そのため、相手の意図を正確に理解し、自分の意見や提案をわかりやすく伝える力が求められます。

積算に必要な資格や役立つ資格

積算に必要な資格や役立つ資格
積算の業務を行うために、特定の経験や学歴は不要です。
積算業務においては専用の積算ソフトを使って行っている企業も多く、基本的なパソコン操作が出来れば未経験からチャレンジできる職場もあります。特に建築・建設での知識やご経験がある方は歓迎されやすいです。

以下は持っていると重宝されたり、転職の際に歓迎される資格です。

【建築積算士】
建築積算士の資格を持つことで、建設プロジェクトにおけるコスト見積もりの専門知識と技術を証明できます。
一部の企業や公的機関では、建築積算士の資格が積算業務の必須条件として求められることがあります。

【建築コスト管理士】
建築コスト管理士とは、建築積算士の上位資格の位置づけです。
コストマネジメント業務に関する高度な専門知識および技術など、資格豊富な経験と実績を有する専門者であることを証明します。

【施工管理技士(1級・2級)】
建築施工管理技士や土木施工管理技士は施工計画に関する知識を持つ資格です。
コスト見積もりや施工方法の理解に役に立つため企業からも歓迎される資格です。

【建築士(1級・2級)】
建築設計に関する資格で、設計図や仕様書の読み取り、材料選定、工法の理解に役立ちます。

【CAD関連資格】
設計図の詳細を正確に把握し、数量の拾い出しを効率的に行うためのスキルを証明する資格です。
CAD操作スキルがあると、設計図面の解析がスムーズに行えます。

積算の未経験でも施工管理や建築設計の知識や経験があればとても重宝されます。
また積算業務のご経験がある方もこれらの資格を取得することで、積算業務に必要な知識とスキルが証明され、転職でキャリアの発展にも繋がるので取得をおすすめします。